うさかめ英国至宝部

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俳優ベネディクト・カンバーバッチさんに関するあんなことやこんなことだけじゃなく色んなジャンルの好きなもの気になったことを綴るブログです

映画 『イミテーション・ゲーム』

ちょいちょい皆さんの感想を読んでいるうちに、自分の感想が段々と薄れてきて

しまう気がしたので慌てて書きます。

 

完全ネタバレですので、未見の方はご注意くださいませ。

それと、カンバーバッチ氏のファンなので。

ええ、そうです贔屓目なところがあると思います。

多々あると思います。

 

 

 

 

 

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人生で初めて、撮影期間中から楽しみにしていた映画です。

 

私がカンバーバッチ氏のファンになったのは、『スタートレック』公開直前ぐらいで

撮影はとっくに終了していました。

その後も、いくつか映画の撮影写真が出ていましたが正直ファンになったという

自覚がなく

でもドラマ『シャーロック』に釘付けだったこともあり、さほどテンションが

上がらなかった模様。

 

 

この『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』(長い)は

撮影シーンや、英米各地でのプレミア、動画でのインタビューなどなど指をくわえて

みていましたので、その間も愉しかったけれど。

 

愉しかったけれど日本での公開数日前に、すでに諸外国ではDVDが発売って

淋しいなぁ。

上映が遅かった分、驚異的なスピードでDVD化してもらえないかしら。

 

で、本題。

 

 

正直に書きますと、私の頭では場面展開が早かったり(時代がいったりきたり)、

説明が早く感じたりしてついていけない場面がいくつかありまして...

「あ、いま、いいこと言ったのに、なんだっけ?!」みたいな場面も。あほだ。

瞬間記憶定着率みたいなものがあるならば、それが愕然とするほど無くなったなぁ。

 

今週も観に行く予定なので、少しは解決することを願います。

 

ちなみに、3週連続でポストカードをくれるキャンペーンがあるのですが。

正直、「え、このシーンの?」って思ってるのは私だけでしょうか。

もっと素敵なとこあるよねぇ、あるよねぇ、あるよねぇ。

 

また、話がそれた。

 

タイトルにも出てくる”エニグマ”という暗号機。映画の中では特に詳しい説明がなく

そこもちょっと??となったので、映画を観た後にインターネットで検索したら

 

連載:暗号と暗号史:【第5回】機械式暗号機の傑作~エニグマ登場~

HH News & Reports:ハミングヘッズ

 

それでも、ちょっと、、、、人様に説明できるほどにならない哀しき私の頭脳。

なんとなーく、イメージは掴めましたのでDVDが発売されたらこのあたりの解説が

入らないかなぁ、とか。入らないだろうなぁ。

映画の主題は、暗号機や暗号解読機のことではないので。

 

 

ただ、暗号解読の決めてとなる大事なシーンがあるのですが、あそこの意味が、

ちょっとよく、いやかなり分からなくて。なんか、キーワードがあるとかなんとか

言ってて。

2回観ても解読できる自信があまりない。

ああ!そうゆうことか!!と映画館で思ってみたい。

 

で、連載の【第6回】エニグマ解読~第2次世界大戦とコンピュータの誕生~

読んでいて気になったのが

 

ポーランドではエニグマ解読のため、「ボンブ」と呼ばれる解読機械を使用して

>いたが

 

ここであります。

映画では、カンバーバッチ氏演じるアラン・チューリング氏が様々な計算をし、

設計図を作りエニグマ解読のための機械を作るのですが。

その前身は、すでにポーランドで作られていた??

 

Wikipediaによると、

 

>イギリスの政府暗号学校 (GC&CS) のアラン・チューリングが、1939年秋には

>電動式の暗号解読機「ボンブ」の設計を行った。

 

と書いてあるので、電動式を作ったのはアラン氏が初めてなのですかね。

と思ってたら。パンフレットの別のところで

 

ポーランドで暗号解読用に作られたボンブという機械を改良して

 

やーねぇ、ちゃんと隅から隅まで読まないといけませんね。

 

そして、さらに1つ謎なのはパンフに書かれている

 

チューリングの開発した暗号解読機「ボンブ」(本作ではクリストファー)

 

そうなんですよね、映画では一度も「ボンブ」という表現がなく、解読機には

アラン氏が学生時代に恋心を寄せた青年の名前「クリストファー」が付けられて

おりました。

 

「機械に名前を付けたの?」とキーラ・ナイトレイ演じるジョーンが言ってました

けど。

このあたりでも、ジョーンはアランが同性愛者だと薄々気づく1つのキッカケだったのかしら。

(これまたパンフによると、ジョーンさんはアラン氏が同性愛者だったことを

 ハッキリとは知らなかったようです。

 もちろん、裁判の後には分かったと思いますが。。。)

 

同性愛ということで、決定的なシーンを入れるべきだという声もあったようですが

監督たちはそうしなかった、と。

私としても、自分の存在を初めて認めてくれ、自信をくれた相手の名前を暗号機に

付けるというくだりで、十分だったのではないかと。

 

 

まぁ、それにしても『ダウントン・アビー』で運転手ブランソン役を演じている

アレン・リーチ氏。

まさか、彼が二重スパイとは。

 

アランが同性愛者であることを、さも自分は見抜いていたように言ってましたが、

あれはソ連側から教えられた情報だったのかもなぁ、なんて思ってみたり。

そして、この二重スパイをMI6が英国の暗号解読チームに配置していたのが

史実ということ本当に驚きでした。

 

ソ連に情報をリークさせるために、二重スパイを配置するなんて。

まさに疑心暗鬼。誰を信じればよいのやら。

このあたり『裏切りのサーカス』をチラっと思い出してみたり。

 

 

わざと二重スパイを泳がせていることをサラっと認めるMI6のミンギス。

演じるはマーク・ストロング氏。

 

もう、おぬし悪よのぅ!手段を選ばない非情な感じが凄くよく出ていた気がします。

アランの秘密を握り、命令に従わせる手口が、なんとも。

しかも、ジョーンが連行されたなんて嘘もついて。すぐに嘘とばらすものの、アランを

動揺させてから、さらに秘密を知ってることをバラすという。

 

ミンギスに脅されたアランは、ジョーンの身を案じて婚約を解消。

これがですね、もしも彼女と結婚していたら。そしたら、彼は裁判にかけられることは

なかったのでしょうかねぇ。

 

それに彼が裁判にかけられたとき、MI6なら何とか裏工作して彼を無実にする

ことだってできたんじゃないかと勝手に思うんですが。

ですが、個人のこと、ましてや当時は禁じられていた同性愛ということであれば

手出しはせずただただ黙殺していたんでしょうかねぇ。

いや、むしろ自分たちが墓場まで持っていく(??)ぐらいの勢いだった暗号解読に

関する情報。

(なにしろ50年以上も英国政府がアランの功績を秘密にしてきたというし。)

 

その生き証人でもあり、一番詳しく知っているアランが社会的に抹殺されることで、

自分たちの秘密がより守られる、ぐらいに思っていたとしたら。。。

まぁ、考えすぎだとは思いますが。

 

 

もし自分が暗号解読に失敗していたら、

もしかしたら戦場で命を落としていたかもしれない人や、

その子供たちに裁かれるということに、彼は一体どんな気持ちだったんだろうか、と。

 

 

映画を観る前は、解読するまでが大きな山場と思ってたのですが、なんのなんの。

実は解読に成功した後、いかにドイツ側にそれを悟らせないようにするかが大変だった、と。

「神様でもないのに、人の生死を決定していいのか」というようなセリフもありま

したが、まさに救える命があるのに、いくら終戦を早めるためとはいえ見殺しに

しなければいけない。

どんな気持ちで皆、解読をしていたんだろうか、と。

 

 

観る前よりも、よりタイトルの「イミテーション・ゲーム」の意味を考えさせられる

作品でした。

 

 

ミンギスは身内すらも騙し、祖国のために行う「イミテーション・ゲーム」をしてる

感じだし。

 

男性社会の中で、女性の自分が生き残るため、好かれるように考え意図して

行動するジョーン。

人と協力していくための手段をアランに教えたかったのかもしれませんが。

その姿にアランも「自分も少し譲歩して相手との距離を縮めていかないと

いけないのかな」と思ったのかもしれない、とか。

自分一人の力では限界があることに気付いていたこともあり、余計にジョーンの

アドバイスが効いたのかもしれませんね。それで面白くない冗談言ってみたり、

リンゴ配ってみたり。

 

でも自分一人の立ち振る舞い方は、よーーーく分かっている感じですよね。

気に食わない上司(デニストン中佐)を出し抜く?ために、というか、自分の考えを

実行に移す手段として首相に手紙書いてそれが通るなんてねぇ。これも史実とか。

 

 

それにしても、いつの時代にも天才の側には、その才能を深く愛し、世間との

橋渡しを買って出てくれる人物がいることで、より輝くんだなぁ、と。

 

イブ・サンローラン氏とピエール・ベルジェ氏のように。

 

イミテーション・ゲーム』ではアランとジョーンではないかな、と。

世間一般の人から見ればアラン自身が”エニグマ”であり、理解しがたい存在に映る

けれどジョーンというボンブ(解読者)の登場で、彼がモンスターでないことを

段々と周りの人が認めてくれるようになっていったように感じました。

 

 

ドラマ『シャーロック』のシャーロックとジョンのようでもありますね。

こちらはフィクションですが。

でもまぁ、天才と世間の通訳者ができるってこと自体、その人(通訳者)も

非凡だと私は思っておりますが。

 

 

天才過ぎるがゆえに、繊細すぎるがゆえに、周囲との摩擦が起きてしまうという役。

本当にカンバーバッチ氏は上手に演じるなぁ、と。

ただ、ドラマ『シャーロック』とダブるようにも感じたり。

 

もしかすると、その部分、目新しさがないという部分で賞がとれなかったんじゃないか、という感想を読んだ時に、ふむふむ、と納得してしまったのでありました。

個人的には賞をとろうが、とるまいが映画は観た訳で。

一年間に膨大な本数が公開される映画の中からノミネートされるだけでも、本当に

すごいことだなぁ、と思っています。

 

今後も良い作品、監督、共演者に恵まれ、必ずしやいつかトロフィーを掲げている

姿を見られると勝手に信じ愉しみはとっておこうと勝手に思う今日この頃。

 

 

ぐだぐだと、まとまりなく書いてしまいました。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

 

 

最後に。

 

映画館ではストーリーを追うことに必死だったせいか、目を潤ませるだけだった

私ですが映画館をでて、ふと現実に戻り、なんの変哲もない風景をみて自然と涙が。

 

自分でも驚いて、慌ててタオルを探す始末。

 

自分のしたことの正しさを、その影響力を誰にも理解してもらえず

失意のうちに亡くなったであろうアラン氏はもちろんのこと、

私が知らないだけで、そうやって生きた人々が大勢いることで、その恩恵で

今ここにいる訳だなぁ、と。なんだか、感謝感激というよりも、切なさというか

申し訳なさを感じたのでありました。

 

 

さて、2回目はどんなことを感じるのか?

そして、映画の中の史実とフィクションの部分を知るために自伝を読んで

みたいなぁ、とか。

 

カンバーバッチ氏という俳優を通じて、また新たなことを知ることができました。